本当の戦争を教えてくれた映画「プラトーン」

映画

僕はゲームが大好きで、その中でもFPSが一番好きです。あまり大きな声では言えませんが小学校低学年あたりからプレイし続けています。特にCODのキャンペーンモードにドハマりして、当時は狂ったようにプレイしていました。そしてFPSや戦争映画といった「戦争」にまつわるものに興味を持つことになったのです。



小学生だった僕は戦争というものをよく知りませんでしたが、CODのキャンペーンをやっていたこともあり、カッコよくてエキサイティングなものだと思っていました。確かに小学校の授業で東京大空襲や原爆、日本の憲法などを通して戦争は悲惨で怖いものと学びました。それでも僕は戦争はカッコよくて英雄的な行為だと思っていました。



しかしそんな僕の幻想をぶっ壊した映画がありました。「プラトーン」です。この映画はベトナム戦争ものの映画で、その内容からアカデミー作品賞を受賞しています。あの有名な両手を上げるポーズで知った人も多いでしょう。僕はレンタルビデオ屋でこの映画を借りて、固定概念を180度変えられました。



この映画が僕に与えた影響はあまりにも大きいです。なぜなら「戦争」が好きだった僕を戦争嫌いへ変えたんですからね。


ベトナム帰還兵が作った戦争映画

CODなどの戦争ゲームが戦争のヒーロー的な側面を描いているなら、この映画は逆で戦争の本質を描いています。チャーリー・シーン演じるクリス・テイラーは大学を中退して軍隊に入った普通の青年です。ただの青年からの視点で描かれることにより、死への恐怖や故郷を懐かしむ気持ち、罪悪感などの感情を肌でそのまま感じることができます。



またこの映画の監督であるオリバー・ストーン監督はなんとベトナム戦争の帰還兵なのです。実際に戦争を体験したからこそ、ここまでリアルな描写が出来るんですね。


残酷な裏側

またこの映画ではアメリカがベトナム戦争で行った戦争犯罪についても真正面から描いています。特に有名なのは村でのシーンでしょう。小隊のリーダー格であるバーンズや仲間のバーニーが村人を殺し、立ち去り際に村を燃やす光景は今でも鮮烈に覚えています。



ゲームではいつも正義の味方であったアメリカ軍が、この映画では悪人のように映っている。しかしこれが現実なのでしょう。戦争では正義なんて存在しません。この映画ではエリアスがその正義を体現するキャラクターだったのですが、そんな彼も味方であるバーンズとの意見の衝突をキッカケに殺されてしまいます。戦争では罪なき者や善良な心を持った者から死んでいくんです。この映画の最後に主人公がそれを体現していました。


戦争の本質

この映画では描かれるのは英雄物語ではなく、ただの戦争です。カッコいい戦闘シーンもなければ、感動的なストーリーもありません。大勢の人間が死んで、たくさんの人の心が蝕まれ、人が善悪に揺れる。これが戦争の本質です。戦争体験者であるオリバー・ストーン監督が映画を通じて多くの人に伝えたかったのはきっとこれだけではないでしょうか。戦争は悲惨なだけです。



この映画は僕に「ほんとうの戦争」を教えてくれました。

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