これぞ戦争ゲーム『Isonzo』のプレイ感想。

ゲーム

近年のeスポーツの流行から、競技指向の強いFPSゲームが増えてきました。配信で他プレイヤーの動きを研究し、時間があれば射撃訓練場に籠もってエイム練習に明け暮れる。対戦FPSを楽しむためには努力と効率が求められる時代です。

競技系FPSは対戦本来の楽しさが味わいやすい一方、弱いプレイヤーは置いてけぼりになってしまうこともあります。しかし、FPSは競技系ジャンルだけではありません。今回紹介する『Isonzo』は、競技とはひと味違う、”戦争ごっこ”を楽しむことの出来るFPSゲームです。

リアル系WWⅠシリーズの3部作目

雰囲気は抜群

『Isonzo』はWWⅠシリーズ『Verdun』『Tannenberg』に続き3部作目となる作品。イタリアで繰り広げられた”イゾンツォの戦い”をテーマに、最大48人で対戦が出来るリアル系オンラインFPSです。

ゲームは攻守に分かれて行われ、攻撃側は全拠点の制圧、守備側は攻撃側の戦力(チケット)を0にすることで勝利となります。『Battlefield』のbreakthroughや、『Rising Storm』のterritoryに近いゲーム性ですね。

兵科ごとに異なる役割

本作にはリアル系ではお馴染みの兵科システムが存在します。オフィサー・ライフルマン・アサルト・エンジニア・マウンテナー・スナイパーの7つがあり、それぞれ異なった装備や能力を携えています。

兵科ごとの役職を理解し、力を合わせて戦うことが勝利へのカギとなります。こうしたゲーム性がチームの一体感を生み出し、戦争感を高めることに成功しているとプレイしていて感じました。

兵科に関してはライフルマン除くすべてに人数制限がかかっています。そのため強い兵科が乱立するということもなく、バランスのとれたチーム構成が実現しています。特にオートマチック武器を持つアサルトは5人までと、個人無双するプレイヤーが現れにくいのは良い調整だと感じました。

壮大なマップ

あの山を奪れ!

本作のユニークポイントの1つは山岳地帯で繰り広げられる立体的な戦闘。通常のFPSでは考えられないような規模の戦い体験することが出来ます。

マップのバリエーションも豊富で、岩に覆われた高地から断崖絶壁にそびえたつ要塞など、緩急のついたマップが多く存在します。中には山の麓から頂上へ攻めあがる大規模なマップも用意されています。平面的なマップが多いFPSですが、本作での山の頂上を目指して戦うゲームプレイは、いかにも戦争ゲームという感じがあって最高です。

マップのデザインも良い意味でゲームらしさがなく、自然にゲーム内の戦場へ没入出来るようになっているところには関心しました。

地獄の高地戦を体験できる

味方と共に匍匐前進

戦場の臨場感こそリアル系FPSの最大の醍醐味でしょう。一発即死の緊張感、耳をつんざく爆発音や悲鳴、凄惨なゴア表現。ゲーム中はまるで戦争映画に入り込んだような感覚に陥ります。

味方がやられた!

プレイしていて特に印象的だった出来事は、最前線で鉄条網を切断しにいった時のことです。停滞した前線を上げるため、匍匐前進で鉄条網まで進んでいました。先にいた分隊員が鉄線を切り終えたと同時に突撃が始まったのですが、顔を上げた味方が機関銃で狙い撃ちにされる事態に。その時、損壊した頭から出てきた脳味噌が自分の目の前まで転がってきたのです。まるで戦争映画のような場面に絶句したのはいい思い出です。

こうした本作の残虐な描写が戦場感をより一層強め、深い没入感をもたらすことに成功していると感じました。戦争映画でよく見る光景がプレイ中に起こるというのは、リアル系ならではの趣ですね。

初心者にも優しいシステム

リアル系をプレイしたことがなくてもOK

本作はいわゆる”リアル系”ですが、システム周りはだいぶカジュアル寄りになっているところは好印象でした。

まず他のリアル系と比べ、UI表示が丁寧です。一般的なFPSゲームらしいUI表示となっているため、この手のジャンルを遊んだことがない人でもすんなりと状況が理解できるというのは素晴らしいことです。敵・味方の判別もUI表示のおかげでわかりやすくなっているところもいいですね。

UI表示以外でもカジュアルな部分が多く、特に味方への誤射がない点は素晴らしいと思いました。これまでのリアル系では誤射があることは当たり前だったのです。私も『Rising Storm2: Vietnam』では毎試合必ずチャットで”sorry”と打ち込んでいたほど、誤射をしてしまうことが多くありました。しかし本作では味方への誤射を気遣う必要がなくなったおかげで、よりプレイを楽しめるようになったと感じています。

リアル系FPS最大の問題”人口とバランス”

ゲーム全体を通して豆粒の敵を撃つことが多い

刺さる人にはとことん刺さるゲームですが、リアル系に属するが故にプレイ人口が少ないという弱点があります。人口が少ないとプレイヤーの固定化が起こり、チームバランスが偏ってしまうという問題もあります。

そういった時はプレイするサーバーや時間帯を変えてみることで、快適にプレイできるようになるかもしれません。個人的にはサーバー設定をAsiaからUSに変更することで、プレイ人口の少なさやバランスの問題は解決できることが多い印象です。USサーバーは日本時間の午前中~お昼すぎにピークを迎えるため、そのあたりの時間を狙って遊ぶのがおすすめですね。

とはいえこの時間帯で遊べるプレイヤーは限られていると思うので、平日は別のゲームを遊び、休日に本作を遊ぶことが現状の最適解かもしれません。

まとめ:”戦争ごっこ”が楽しめるリアル系FPSの最高峰

最高

リアル系FPSの中では一番親しみやすく、なおかつ最高の戦争ゲームです。ゲームとしての面白さ、リアルな戦場体験、これら2つが絶妙に組み合わさった本作はかなりの良作だと感じました。現状の個人的GOTYです。

おまけ:戦場で生き残るためのヒント

最後に『Isonzo』で生き残るコツをいくつか伝授します。

味方と共に行動しよう

2人以上は対処が難しい

プレイヤーの大半はボルトアクションライフルを装備しているため、集団の敵に対応することは出来ません。突撃の際は固まって動くことで死亡率を大幅に減らすことが可能です。しかし、あまりに大人数で固まっていると手榴弾や砲撃に狙われてしまうため注意が必要です。

固定兵器に弾薬を補充する

固定兵器は使いこなそう

迫撃砲や機関銃などは上手く使うことで戦局を大きく動かすことが出来ます。もし弾を撃ち切ってしまっても、ライフルマンが装備出来る弾薬箱を使用することで、固定兵器に弾薬を補充することが可能です。特に迫撃砲は安全地帯から一方的に敵を砲撃できるため、弾薬を補充しながら撃ちまくりましょう。

狭いエリアではハンドガンを使う

ハンドガンが強い

本作の主力武器であるボルトアクションライフルですが、連射が不可能なため接近戦で複数の相手に対処することは至難の業です。サブウエポンが装備できる兵科の場合、ハンドガンを使用することによって狭いエリアで優位に立つことが出来ます。複数人でも対応が可能な為、ハンドガンを装備できる兵科のプレイヤーは率先して前線に向かいましょう。

強いポジションで戦う

イヤらしい位置からの攻撃は大事

リアル系FPSでは一発が命取り。そのため無暗に突撃してもあっけなく倒されてしまいます。しかし、ポジション取りを意識することで敵の攻勢を突くことが出来るのです。高台の土嚢やマップ端の茂み、建物の瓦礫などに身を隠しながら戦うことで、大勢の敵を倒せるようになります。むやみに激戦区には立ち入らず、有利な位置から攻撃することを心がけましょう。

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