オカルトWWⅡFPS『Return to Castle Wolfenstein』のプレイ感想。

FPS

FPSの始祖として名高い『Wolfenstein 3D』の続編。『Redneck Rampage』、『Kingpin: Life of Crime』、『Call of Duty: United Offensive』を手掛けたGray Matter Studiosが制作を担当しています。ゲームエンジンはid Tech 3が使用されており、ドット絵スプライトだった前作から大幅に進化したグラフィック、操作感となっています。

ウルフェンシュタインシリーズといえば、トンでもナチスが登場しまくるイカれた世界観。クラシックなWWⅡシューターさを残しつつも、ゾンビ兵士や改造人間等の独特なオカルトさが本作の魅力です。

堅実なゲームプレイ


プレイしていて一番印象的だったのは、他作品ではあまり見ない照準システムです。本作では動的な照準システムを採用しており、走ったりカメラを動かすことで命中率が大幅に下がるよう調整されています。そのため、カウンターストライクのように、射撃時に止まったりしゃがんだりして命中率をあげなければなりません。このシステムには賛否両論あったそうです。

他にも敵の攻撃力・命中率の高さや、高所や角などの嫌らしい敵配置もあり、全体を通してジリ貧な戦いになりがちです。しかし、敵の足音が良く聞こえるようになっているため、慎重なクリアリングを心がければ戦闘が楽になります。私はこのような慎重な立ち回りを要求されるゲームが好みなので、戦闘はかなり楽しめました。

本作にはステルスパートも用意されています。サプレッサー付きのサブマシンガンやスナイパーライフルを使いながら、チマチマ進めていくゲームプレイは正直微妙でした。敵の反応も素早く、ちょっとでも視界に入ると一瞬で攻撃されるため、クイックセーブを多用したプレイになりがちでした。また、途中で1ステージまるごとステルスを強要される場面があったのも悪印象です。

武器に関してはまぁまぁといったところでしょうか。種類はナイフ・ハンドガン・サブマシンガン・スナイパーライフル・アサルトライフル・手榴弾・ランチャー・ベノムガン(ミニガン)・火炎放射器・テスラガンと割と多めです。しかし、この中で有能なのはサブマシンガンのMP40とアサルトライフルのFG42、スナイパーライフルくらいです。前半では弾薬の入手が容易なMP40、後半は威力高く汎用性の高いFG42を多用し、たまにスナイパーライフルを使うといったプレイになりがち。ハンドガンは極端に威力が低く、火炎放射器やベノムガン、テスラガンは弾薬が入手しづらく、なおかつサブマシンガン・アサルトライフルほどの使い勝手もないことから使用頻度はほとんどありません。せっかく武器が多いのに、使うのは2種類くらいになってしまうというのはあまりよくありませんね。

個性豊かな敵とマップ


ただのミリタリーFPSとは違い、敵キャラクターの種類は多種多様です。普通の兵士から動きの速い女兵士、耐久性の高い火炎放射兵など単調にならないような工夫が見られました。特に女兵士は移動速度が速く、角に身を隠していることが多いため、良い意味で歯ごたえのある敵だったと思います。

人間以外の敵も多く登場します。地下墓地いるゾンビや極秘研究所で登場するスーパーソルジャーなど、オカルトさ全開の敵キャラクターたちがいい意味でアクセントとなっています。特にスーパーソルジャーは耐久度・攻撃力共に高く、ゲーム内の中ボスといった立ち位置で良い存在でした。

WWⅡモノのFPSとしてはステージのバラエティさも良かったと感じました。ウルフェンシュタイン城に市街地、地下墓地や極秘研究所など、全体を通して毛色の違ったステージが登場し、クリアまで飽きることが全くありませんでした。個人的なお気に入りは地下墓地です。ベタなトラップや不気味なゾンビが多数登場するなど、いかにもな洋ゲー感があって楽しめました。

総評:堅実ながらもまとまりの良いレトロFPS


ただのミリタリーFPSではないオカルトさ、堅実で遊びごたえのあるゲームプレイが、いかにも当時の洋ゲーっぽい。ボリュームも6時間程度と程よく、飽きずに軽く遊ぶことが出来る良作。

コメント

タイトルとURLをコピーしました