最近、ビデオゲームの感想を書くものとして、できるだけ「このゲームは○○によく似ている」とは言いたくないと思っています。誰でも知っているあの名作に似ている、○○を遊んだことがある人ならわかる、そのまんま○○ですね、と言えばわかりやすくはなりますが、安易に例えるのはそれだけ適当な感想しか出てこないといっているのと同じな気がしちゃいます。もっとこう、そのゲーム独自の面白さなどを掘り下げていくべきだと思います。
しかし、『VLADiK BRUTAL』はぶっちゃけ『Half-Life』そのまま。お前こそ適当じゃないかと言われようが、本作はほんとに『Half-Life』なんです。レビューをみても、大多数のレビュアーが「これは『Half-Life』ですね」とストレートに言っちゃうくらい。うん、わかる。だってめちゃくちゃ『Half-Life』だもん。
冒頭に訪れる研究所では、とある研究員が「教授、『ハーフ・パイフ』というゲームをやったことがありますか?あのゲームみたいに実験が失敗したらどうするんですか、怖いです。」という台詞があります。それで、その後は知っての通りの大失敗で、謎の爆発が起きた後、研究所内は不気味なモンスターで溢れて大混乱!という、どうみても『Half-Life』なプロットとなっています。
では、最初に手にする武器はなんでしょう?もちろん、バールですよね。もうここまできたら、隠す気がなくて逆に清い(笑)。
ゲームプレイ部分も、もちろん『Half-Life』。いや、どちらかといえば『Half-Life2』です。使用しているゲームエンジンこそ違えど、プレイ感覚はまんまSource Engine。この手のゲーマーなら一瞬で「あー、なるほどね」と思わず呟いちゃうくらいの慣れ親しんだ操作感。しゃがみジャンプももちろん完備。
ゲームの進行も、敵との戦闘やパズルが適度に絡んで飽きがきません。全体的な緩急が優れていて、激しい戦闘を終えたあとは、適度な移動やパズルとなっていて、プレイしていて疲れや気だるさというものを感じさせません。このあたりのバランスまで『Half-Life』ほぼそのままなので、そりゃ面白くなるに決まってます。
思わず笑っちゃうくらい『Half-Life』を模倣しているのですが、唯一違うと感じたのは敵のデザイン。本作の敵は、思わず背筋がゾクっとするような不気味で気持ちの悪いクリーチャーが多くいます。怖いというよりも、個人的には生理的に受け付けないタイプの敵だと感じ、遊んでいる最中はヘンな汗が出まくりでした。もうホラゲなレベルで怖いステージも存在するので、そういうのが苦手な人は注意です。個人的には怖すぎてストレスが溜まっちゃうくらいで、こんな感覚『Cry of Fear』以来です。
あとはグラフィックも気になる人は気になるかもしれません。ストアで販売されている3Dモデルをそのまま使用して作られた”アセットフリップ”全開なゲームです。Steamで氾濫しているアセットフリップなシミュレーションゲームらしいグラフィックが苦手な方は辞めておいた方がいいかも。しかし、不思議なことに、私もアセットフリップゲーは嫌いなのですが、本作は特に気になることはありませんでした。おそらく、根本的なゲーム部分がよく出来ていたこと、そして舞台となるロシアらしい空気感が感じられるように適切にアセットを使用していたところが、大きな理由でしょう。
『Half-Life』と何回言ったかはさておき、まさにロシアンHalf-Lifeと言いたくなるFPS。多少の粗はあれど、全体的に『Half-Life』を模倣しているため、ゲーム部分はしっかり面白いです。逆にここまで似せてつまらなくなるわけがないのですが(笑)。
スクリーンショット
著者一言:今まで見たプレイヤーネームで一番好きなのは『Half-Rice』さん。
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コメント
2枚目のスクリーンショットはどうみてもメトロコップだろ!いいかげんにしろ!
開発のNarko Gamesは微妙なクオリティのロシアンミームゲーを連発する会社だったんですが、とうとう普通に遊べるクオリティの作品が作れるようになったんですね…感慨深い…
ほんとにHL2をコピーしたようなゲームでしたね。
Narko Gamesの以前の作品は全く知らなかったのですが、たしかに他の作品と比べると本作はだいぶマシに思えます…。
まあ、HL2をコピーしているので、つまらなかったらそれはそれで問題ですが(笑)。