ビデオゲームらしさ『System Shock(2023)』のプレイ感想。

FPS

ビデオゲームが面白い最大の理由、それは”インタラクティブ”要素があることだと私は思います。映画・ドラマ・アニメなど数ある映像コンテンツの中でも、自分で操作し、その世界に入り込めるというインタラクティブな要素を持つのはゲームだけです。私は『System Shock』をクリアしたことで、ゲームが持つインタラクティブな面白さに改めて気づきました。


本作はビデオゲームが持つ”インタラクティブ性”を最大限に活かしきったゲームです。このゲームでは現在の目的地や目標を示すマーカーの類は一切存在せず、クリアまでの過程は全てプレイヤー自身にゆだねられます。現在自分がおかれている状況やマップの各所にあるオーディオログを頼りに、「今、何をすべきか」を考えなければクリアはできません。

オーディオログは収集アイテムというイメージが強い。
しかし、本作ではゲームを進行する上で非常に重要なアイテムとなる。


この道しるべの一切ないゲーム性に、プレイ序盤はかなり苦戦しました。目の前の敵を撃ちまくってクリアできるゲームばかり遊んでいた私にとって、この「自分の頭で考えて進む」という行為は新鮮な体験であり、なおかつ非常に難しいことでした。マップの各所に落ちているオーディオログをヒントに、自分で考えて進んでいく体験は、今のゲームに慣れた私にとって非常にストレスで不愉快です。どこに進めばいいかが全く分からず、絶望することが何度もありました。その不快さは、まるで自分がシタデルという死の迷宮に囚われているような感覚に近いものでした。

FPSゲームではない。


このゲームを遊んでいると、今のゲームがどれくらい親切なのかが分かります。昨今のゲームは進行における誘導が非常に親切であることから、ある意味ゲーム内のアトラクションを楽しむ”お客さん”になりがちです。ですが、一切の誘導なしに、シタデル内を右往左往しながら進んでいくインタラクティブな体験はまさに”当事者”そのものといえます。本作のプレイヤーは画面の前でゲームを楽しむお客さんではなく、SHODANと対峙するハッカー、この出来事の当事者なのです。

映画やドラマはソファに座って画面を見ていれば物語が自動で進行します。一方、ビデオゲームはプレイヤー自身で操作し、物語を自ら進めていきます。自分で戦って、迷って、考えて、クリアを目指す。全て自分で行うからこそ、他では体験することの出来ない圧倒的な没入感を生むのです。『System Shock』はこのビデオゲームの”インタラクティブ”な要素をゲームの進行部分に据え、プレイヤーをシタデルという仮想空間に送り込むことに成功した作品です。ビデオゲームらしさとは何か。そう一度でも考えたことがあるのなら、本作プレイしてみるべきです。

悪のAIことSHODAN。敵としては非常に魅力的な設定だったと思う。

著者一言:中々にヘビーなゲーム体験だったので、次は軽めのBoomer ShooterかUBIゲーでも遊びたい。

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