どこか寂しい『S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat』のプレイ感想。

FPS

グラフィックが肌に合わないという理由で放置していた『S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat』。今回のプレイでは、テクスチャの品質を向上させるCall of Pripyat Completeを導入しました。ぱっと見で大きな変化はないようですが、どこか雰囲気が『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl』の陰湿でざらついた感じに寄っていたのでOKです。

ゲームプレイはSoCやCSと比べると、かなり穏やかになっていると感じました。人間同士の銃撃戦がかなり少なく、序盤から中盤はずっとミュータントの相手をするだけです。それにミュータントも避けようと思えば避けられることが多いため、基本的に銃を撃つことはあまりありません。まるで本作はゾーンを舞台にしたアドベンチャーゲームのようです。

マップはかなりコンパクトになっています。今作は全部で3つのエリアに分かれているのですが、いずれもBFのマップくらいの広さです。エリアごとの特色があるわけでもなく、敵とミュータントもたまにうろついているくらいの閑散度合いです。タイトルにもなっているプリピャチも、大して活気づいておらず、ミュータントとMonolith兵がウロチョロしている程度でかなり寂しいです。そういった寂しい雰囲気も作風と合致しているといえばそうですが……。

全体の盛り上がりもどこか寂しいものがありました。物語の真相がプリピャチにあることから、そこへたどり着くまでの過程はかなりワクワクしました。しかし、実際に到達してみれば、大して危険度が上がったわけでもなく、SoCに出てきたチェルノブイリ発電所のようなランドマークがあるわけでもないので、なんだか拍子抜けしてしまいました。SoCはゾーン内の勢力が一斉にチェルノブイリ発電所を目指すという展開のおかげでクライマックスが盛り上がりましたが、今回はそういったクライマックスは一切ありません。個人的にはプリピャチへ向かうために、装備と仲間を集めて地下トンネルを通過するところが一番盛り上がりました。

S.T.A.L.K.E.R.三部作の中では一番地味な作品。雰囲気が肌に合えば楽しめるかもしれませんが、そうでない人は少し退屈に感じる人も多いでしょう。ゲームプレイや物語はどこか寂しいものがありますが、それがかえってゾーンらしさを醸し出しているといえるかもしれません。

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