ボディカムFPS(?)『Bodycam』のプレイ感想。

FPS

ピクセルのグラフィックだった80・90年代から見れば、ここ最近のビデオゲームの表現力は比にならないほど向上しています。とはいえ、これがゲーム画面だというのは見ればすぐにわかりますし、まだまだ日々現実で目にしている”リアル”の世界とはかけ離れていると思います。実際にはテクスチャの解像度や光の表現やらリアルタイムうんちゃらや…とかいう素人からしたら何だこれみたいなものが進化しているだけで、ぱっと見の表現やゲームプレイのリアルさなんかは、2000年代初頭からそれほど進化していないのではと感じちゃいます。

『NAM(1998)』
『メダル・オブ・オナー 史上最大の作戦(2002)』
『Call of Duty: Modern Warfare III(2023)』

特にFPSを始めとするシュータージャンルはこの進化が一番分かりやすいです。もはやFPSというジャンルが、進化するグラフィックの見本市となっている部分もありますね。しかし、実際はちょっと解像度が上がっただけで、ほとんどなーんにも変わってねぇ!と思います。まず一人称の視点ですが、なぜ銃が右斜め下なんだ!とか、なぜ20年前のゲームとほとんどゲームメカニクスが変わっていないんだ!とか。ほんとガワが綺麗になっただけで、実際は20年前のゲームと大差ないものであふれかえっているのが今の実情なのではないでしょうか。

そんな停滞したFPS界隈に一石を投じたのが本作『Bodycam』を始めとした、ボディカム風視点のビデオゲームたち。次世代エンジンの恩恵によるほぼ実写なグラフィックはもちろん、まるで警察の密着ビデオを見ているようなリアリティ溢れる”ボディカム視点”により、これまでのビデオゲームでは表現できなかった圧倒的な現実味のある体験を演出することに成功しています。

正直、ボディカム視点になるだけでここまでゲームがリアルに感じられるとは思いませんでした。やはり銃が右下に表示されるという普通に考えるとありえない絵面より、カメラ視点という馴染みのある方が違和感が少ないからでしょうか。

「FPSの没入感をより高めるにはどうすればよいのか?」という難題に、これまで数多くの開発スタジオが頭を悩ませてきたと思いますが、カメラの視点を変えるだけ、でした。それもAAAスタジオではなく、インディーの開発者たちがそれを実現しているのだからすごい。改めて多くのFPSは型にハマり過ぎていたんだなぁと思いました。

本作はPvPモードが主軸に置かれ、2チームに分かれて爆弾解除やチームデスマッチといったゲームモードが用意されています。早期アクセスということはありますが、それでも正直ゲームプレイの方はめちゃくちゃ内容が薄いです。対戦ゲームとしてはあまりにテキトーなマップ、あまりに使い古されたゲームモードなど、とにかく薄味。

ぶっちゃけたこというと、本作はボディカム視点によるリアルな銃撃戦が楽しめるというだけで、ゲームプレイに関してはCoDをやっていた方が数百倍面白いです。仮に本作がボディカム視点でなく、ただのいつも通りのFPS視点の対戦ゲームだったら、ここまで話題になることもなかったでしょう。良くも悪くも今話題のゲームって感じです。最初の1時間はその圧倒的な没入感に感動を覚えますが、1時間半くらいすればもう飽きてしまいます。

今までのものとは全く異なる、圧倒的没入感が味わえるPvPシューター。しかし、中身はコテコテに使いまわされたいつものFPSで、技術デモ的な何かと考えた方が妥当なビデオゲーム。

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