この時代のFPSが好き『Battlefield: Bad Company 2』のプレイ感想。

FPS

先日U-NEXTで『戦略大作戦』というWWⅡモノの戦争映画を観ました。主人公率いる部隊がナチスの金塊を入手するため、大義なんかそっちのけでドンパチを繰り広げるというどこかで聞いたことあるような内容の映画でした。そう、『Battlefield: Bad Company』とやっていることが同じなのです。

国のため、大義のためではなく、己の私利私欲のために戦う男たちに胸を打たれました。ヘンなプロパガンダっぽい戦争映画の主人公よりよっぽど人間味があって好きです。『Battlefield: Bad Company』の方も負けないくらいに濃いメンバーが登場するので、数あるBFキャンペーンの中では本シリーズが一番のお気に入りです。

1作目は1,2年ほど前にプレイしていて記憶があったので、今回は久しぶりに『Battlefield: Bad Company 2』の方を通しでプレイしました。

ゲーム的にも楽しい破壊表現

戦闘時はとにかく色々散る

かつてのBFのウリであった”破壊表現”は大きな変化を遂げています。前作では壁や遮蔽物を吹っ飛ばすことができたのですが、今作では建物をまるごと倒壊させることができるようになっています。崩れる時の轟音も非常にリアルで、戦場らしい臨場感が上手く演出出来ていました。

戦闘後はまわりがボロボロになる

しかし、今回のプレイで建物の倒壊を見たのはせいぜい4回くらい。わざわざ時間をかけて倒壊させるより、敵のいる箇所だけを破壊した方が手っ取り早いからです。なので正直前作から大きな変化はあまり感じませんでした。もしかしてマルチとかのほうが倒壊システムを味わいやすいのかも?

とはいえ、破壊表現はなかなかのもの。ましてや1本道スタイルになったことで建物や敵の密度が増し、より破壊を堪能することが出来るようになっていました。グレネードやロケットで壁が吹き飛び、わざとらしい赤いドラム缶を撃てば敵がハリウッド映画のように飛んでいく様は見ているだけでスッキリします。

本作ほどアンダーバレルのグレネードランチャーが活躍するゲームを知らない

ゲームシステム的にも破壊はよく出来ています。通常のFPSはちょこちょこ身を出しながら撃ち合う戦法が一般的ですが、本作では敵が隠れているところをまるごと吹っ飛ばせます。グレネードランチャーやロケットで敵がいる場所ごと吹っ飛ばす戦法が最強なのは、やけに本物っぽい戦闘感が味わえて最高です。逆に敵も爆発物を撃ちまくってくるため、常に隠れ場所を変えなければ死ぬという緊張感が上手く演出できていました。

CoDをかなり意識したゲーム進行

当時流行りの1本道シューターへと変貌

前作は箱庭形式のゲーム進行でしたが、今作ではCoDのような1本道スタイルへと変化しています。発売当時の2010年あたりはCoDスタイルのキャンペーンを持つFPSゲームが溢れるほどありましたが、本作もその1つ。個人的には前作の箱庭スタイルの方が攻略の幅が広くて好きだったのですが、リニアな方がサクサクプレイできたので、「まぁいっか」って感じでした。

BFは乗り物パートもうちょいあっても良い

ゲーム内の台詞には『Call of Duty: Modern Warfare2』にケチを入れるようなメタ発言がいくつもあることから、ゲームスタイルは同時期に人気を博していたCoDを相当意識していたのでしょう。前作にはほとんどなかった映画のような演出も多くなっており、ライバルであるCoDに寄せていったんだなと感じることが出来ました。

明らかにMW2への宣戦布告

正直CoDと比較すると、演出面やストーリーはCoDの劣化版クローン止まりな完成度です。演出も他のFPSと比べると幾分か派手なシーンもありますが、CoDのような大作アクション映画のような出来には到底届いておらず、B級映画止まりといったところでしょうか。

銃座につくシーンが何箇所かあって非常に当時のFPSっぽい

ストーリーも割と地味で、BCシリーズの良さである「私利私欲のために戦う兵士」像が全くなくなっていたところが非常に残念です。今作では主人公たちが特殊部隊へと格上げされており、南米を舞台に特殊作戦を繰り広げるという内容のため、前作であった金塊を追い求める滑稽な兵士像は見ることが出来ません。金塊を集めるコレクティブ要素も、敵の通信施設を破壊するものへと置き換えられており、BCらしさが一切ありません。まぁ、キャラクターたちの会話やノリはいつも通りなのですが、もう少しコミカルな感じが欲しかったですね。ホント今作は世界を救うという物語に主人公たちが動かされている感があって少し残念でした。あとミス・ジュライとの通信の掛け合いも好きだったんだけどなぁ…。

物語に動かされちゃった主人公たち

その分全13ミッションの任務はバリエーションに富んでいて好印象でした。前作は東欧地域でのドンパチが延々と続きましたが、今作はジャングルから雪山、砂漠などロケーションが豊富です。やることはほとんどが1本道シューティングなのですが、だからこそ背景が変わることで飽きづらくなるのです。

戦場感のある演出

戦闘感触はかなり好み

私はBCシリーズがBFの中では一番好きなのですが、その最大の理由は圧倒的な臨場感があるからです。特に音響面はシリーズで一番雰囲気があると思います。

銃の火薬らしさ全開の発砲音や、リロード時の金属を感じる重々しい音(特にM95)、土煙を直に浴びたような爆発音が最高です。特に近くで爆発したときの耳鳴りがかなりリアリティがあり、今自分は戦場の最中にいるんだなぁと感じることが出来ます。

「ジャキーン!ガチャ!ドゴォォォン!!!」と重々しいサウンドがたまらない

あとは重々しい操作感も大好きです。のっそのっそとしたダッシュや、ボルトアクションの遅さ、グレネードの投擲動作など、全てに重みを感じます。

ダッシュの感じめっちゃ好き
この一生懸命投げてる感じが最高

近頃のFPSはリアリティよりも聞いていて不快に感じないような音響づくりや、動かしていてストレスのない操作感などを意識する風潮が強いように感じますが、今作はそれとは正反対。まるで本物の戦場にいるかのような雰囲気づくりに徹底した本作の作風は、他のFPSにも見習ってほしいものです。

まとめ:こういうFPSで良い

360時代のFPSにしみじみ

CoDに寄せているようで寄せきれてないB級FPS。しかし、ゲームプレイ面はBCらしい破壊表現や戦場感を味わうことが出来て楽しいです。今とは違う、当時の飾らない、武骨な雰囲気のあるFPSって最高だなと再認識しました。

著者一言:ソファでボーっとする時間が増えて焦る。

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