何も終わっちゃいねぇ!『Rising Storm 2: Vietnam』のプレイ感想。

FPS

『何も終わっちゃいない!何も!』Steamで『Rising Storm 2: Vietnam』を見るたびに、PC画面の前でスタローンの真似をしています。最近のFPSはあまり楽しめず、かといってRS2Vに戻ると人がいません。つい1年ほど前までは、割とどの時間帯でも遊べるサーバーがあったのですが、今では夜にかろうじて1つ存在するだけ。サービス終了という名の終戦が来てしまったのです。特に公式のアップデートは2年前に打ち切られ、開発スタジオは今年の5月に閉鎖したので、完全に未来がなくなりました。まるで、やり場のない、やるせない負の感情を抱えたベトナム帰還兵の気分です。

しかし、本作には微かにですが、まだプレイヤーがいます。ベトナムの狂気に囚われ、デジタルPTSDを患った熟練プレイヤーたちの心の中では、今でもずっと戦争が続いているのです。

かくいう私もその1人。毎日MGC製のM16を磨いては、RS2Vの録画を見返す。他のオンラインFPSをプレイしては、RS2Vの方が楽しいなぁとしみじみ。電車に乗っている時、ゲーム外の移動時間ですらSpotifyでナム戦プレイリスト内の名曲を聴いて、あの頃の興奮を思い出す。

心の中には常にRS2Vの存在があり、それが消えることがないのです。もうサービスの終わったゲームのことなんか忘れるべきなのでしょうが、1日たりとも忘れたことはありません。他のFPSを遊んでいても、なんならゲーム以外のことをしている時ですら、です。というより、脳にこびりついたように忘れられないのです。

モシン最強伝説

どこに住んでいるかも分からん戦友とジャングルを駆け抜け、泥にまみれ、ナパームに焼かれたあの日々、あの興奮、あの恐怖感は、どんなゲームでも体験することが出来ません。まるで懐かしい友のような印象を刻み込まれた気分です。

なんというか、うまく言葉にできませんが、このゲームはナム戦の混沌としたカオスを上手く再現できているような気がします。明らかに他のFPSとは違うのです。私がベトナム戦争というテーマ自体に惹かれていること、そしてナム戦映画が好きなこともありますが。

映画に関してもそうで、ナム戦映画って他の時代の戦争映画とは明らかに作風が違いますよね。『地獄の黙示録』『フルメタル・ジャケット』『ハンバーガーヒル』『プラトーン』(ナム戦映画は名作が多すぎる)などなど、正義と悪という単純構造でなく、厭戦感漂う陰湿さがあり、どこか哲学的でロックな雰囲気もある戦争、というか。音楽に関してもそうで『メダルオブオナー』や『プライベートライアン』で流れてそうな壮大なオーケストラなんかではなく、意味わからんロックやサイケな音楽が台頭しているところなど…。

塹壕に手榴弾を投げ込んでから入るのは、戦争感あって好き

狂ったような魅力を持つナム戦を上手くゲームに落とし込んだのは本作だけです。この体験は絶対によそのFPSでは出来ません。というより他にナム戦を1本で扱ったゲームが少なすぎるということもありますが。

ベトナム戦争という題材、銃声・爆発音・ヘリの爆音・ありとあらゆる罵倒・悲鳴が耳をつんざく戦場、戦場を彩るゴア、リアルとカジュアルの中間をいくゲームバランスとゲームスピード、本当に全てが最高です。プレイして6年経った今でも、毎日思い出しちまう…。命を削るようなジャングルでの戦闘からにじみ出る、強い幸福感と悪夢のようなトラウマ的ストレス…。なんとも言えない、やるせない感覚…。どうだい、この人間としてのギリギリの緊張感、体験してみたいとは思わないか?ハハハ、フハハハ、フハハハ!!!!

直に受けるナパームは格別だぜ

これ以上書くと怪文になってしまいそうなので、本作への思いはここまで。何か良い言葉や表現が思いついたら、またプレイ感想を書きたいと思います。

そんなことで私はナム戦欲が高まったタイミングで、不定期ではありますが本作を遊んでいます。死にかけのオンラインFPSという性質上、プレイできる時間帯が限られるため、時には遊びたくても遊べない時があります。そういう時はArma3のベトナムDLCや他のナム戦系FPS、映画、ドキュメンタリー、ありもしないナム戦系FPSをネットで延々と探して解消するのですが…。やはり本作の快感には勝りません。

今回のプレイでは唯一存在するアジアサーバーでプレイを行いました。日本時間夕方~深夜にかけて人が集まるため、そこに予定を合わせればなんとか遊べます。EUは割とサーバーが多いのですが、Pingが高すぎてキツいですね…。あとNorth Chinaサーバーも存在し、そこはカスタムマップオンリーなので、今でも新鮮な気持ちで遊べて楽しかったです。しかし、このサーバーは何故かPing140~240を行き来するので、非常にプレイがしづらいです。ネット回線の調子もあるかもしれないので、後日また参加してみたいと思います。

キル数よりも貢献度で示すべし

本当に人が少ないゲームですが、気が向いたらこれからも遊んでいきたいビデオゲームです。あと最初にこのゲームには未来がないとい書きましたが、一応今年中に本作のオーバーホールである『Black Orchestra: Worldfront 37-54』がリリースされるそう。Red Orchestra 2 and Rising Storm 1、北アフリカ戦線から、第二次日中戦争や朝鮮戦争などの完全新規キャンペーンも実装される予定とのこと。ベトナム戦争関連の追加はなさそうですが、本作のIP自体が存続しそうなのでひとまず安心です。

爆発は芸術だ!

ホント、私の中ではこのゲームを超すFPSがありません。いつか新作ナム戦ゲーが出た時、開発がキャンセルされた『Call of Duty Vietnam』が復活する時、『Rising Storm3』がリリースされない限り、心が満たされることはないです。それまでずっと、私はずっと、ナム戦プレイリストを狂ったように聴きながら、悪夢にうなされるように、このゲームのことを考えているでしょう。

著者一言:モバイルFPSに手を出そうか検討中。

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