レトロ風恐竜FPS『Dino Trauma』(早期アクセス版)のプレイ感想。

FPS

ゾンビが登場するFPSは腐るほどありますが、恐竜が登場するFPSは案外少ないですよね。今パッと思いつくものでも『Turok』くらいしかありません。恐竜って種類も多いし、見た目のインパクトも大きいので、ビデオゲームの敵としては割と好都合だと思うのですが…。

今回プレイした『Dino Trauma』は『ディノクライシス』を往年の90年代FPSスタイルに落とし込んだようなビデオゲームです。私自身、ディノクライシスは一度も遊んだことがないのですが、それでも本作は雰囲気がかなり似ていると感じます。また、Steamのストアページでは”ブーマーシューター”というタグが付けられているのですが、実際は往年のレトロFPSでよく見られる撃ちまくり系FPSというよりは、結構『バイオハザード』のようなサバイバル寄りです。おそらく、ゲームバランスもかなりディノクライシスを意識したと思われます。

ゲームの流れはよくあるレトロFPSと同じで、カードキーを集めてゴールを目指すステージクリア型です。こういったゲームの経験者なら躓くことはないかと思いますが、同じ場所を行ったり来たりするので、やや現代ゲーマーには難しい気もしました。

また、ステージ間には移動研究所と呼ばれるハブが存在し、そこではクリア時のポイントを使用してキャラクターの能力を強化したり、弾薬やアイテム等を購入することも出来ます。なんかこのあたりもすごく『ディノクライシス』や『バイオハザード』等のカプコン製サバイバルホラーっぽい仕組みです(笑)。

ステージ構成やマップの雰囲気は素晴らしいのですが、肝心の戦闘面がやや作り込みが甘く感じてしまいました。敵である恐竜は割と種類が豊富なのですが、どれもこれも体力値が違うだけで個体差があまり出ていません。どの恐竜もただプレイヤーに向かって一直線に向かってくるだけで、かなり戦闘が単調になりがちです。また、恐竜が向かってくるスピードも割とのろまで、あまり恐竜に殺意が感じられない点が非常に残念でした。そのため戦闘は基本的に近づかれる前に仕留めるというだけで、マップを縦横無尽に動き回って戦うブーマーシューターらしさは全くありません。

本作には格闘武器・ハンドガン・ショットガン・デュアルサブマシンガン・クロスボウ・光線銃・手榴弾の計7つの武器が登場します。しかし、武器のバランスが大雑把で、それぞれの個性や使いどころが微妙すぎました。本作はパワーと連射力、そして弾薬が比較的容易に手に入るハンドガンの使い勝手がよすぎて、それ以外の武器がかすんでしまっています。

ショットガンは敵を一撃で倒せない上、一発ずつ装填するシステムのためRキーを連打しなければいけないのが面倒です。デュアルサブマシガンと光線銃は破壊的なダメージを持っていますが、とにかく弾薬が手に入らないのでボス専用武器になってしまっています。クロスボウもショットガンと同じような微妙なダメージしか入らず、弾薬も少ないため、実質ショットガンの下位互換です。手榴弾もあまりに破壊力不足なため、余ったものをボスにぽいぽい放り投げるだけです(笑)。

そのためゲームプレイ中は基本ハンドガン、ハンドガンの弾が切れかけたらショットガン、ボス戦で弾薬の余った武器を全ブッパという流れになってしまっているのが面白味にかけて少し残念でした。

すこし大雑把な部分はあるものの、ゲームとしては普通に遊ぶことが出来たので個人的には満足です。もうFPSといえばゾンビやデーモン、クリーチャー、テロリストなど昔からある題材をひたすらこすっているだけにしか感じないので、恐竜というのはなにか新鮮な感覚がして楽しかったです。しかも、恐竜といっても肉食恐竜はもちろん、トリケラトプスやステゴザウルス、ブラキオサウルスなど、そりゃないだろ!っていう恐竜とも戦えたのがなんか馬鹿らしくて笑顔になれました(笑)。

また、個人的には水中の敵として登場するプレシオサウルスが不気味すぎて感動してしまいました。なんで下水道にプレシオサウルスがいるだよ!ってというツッコミはありますが、水の中になにか得体のしれないものがいるという水中恐怖症や、UMAや水中にいる未確認生物の映像や写真を見漁った子どもの頃のトラウマを想起してゾクゾクしてました。おそらく、昔好きだった未確認生物の本やテレビ番組で見たネッシーやその他水中UMAの、なんともいえない不気味さを感じたのでしょう。濁った水の中にうっすら見えるプレシオサウルスの姿にぞくっとしたい方は本作をマストプレイです(笑)。余談ですが、水中いる首長竜が襲ってくるという夢のようなシチュエーションが見られる『ダイナソー・プロジェクト』という映画はかなりおススメです。評価は低いですが…。

恐竜とFPSが好きならプレイして損はしないビデオゲーム。現在はまだ早期アクセスのため、全3チャプター中の1チャプターのみを遊ぶことができます。また、日本語化もされているためプレイしやすいかと思います。

著者一言:ついにSteamプロフィールの「過去2週間のプレイ時間」が0になってPCゲーマーを卒業してしまいそうになる。

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