ミリタリーゲームらしさ『Operation Flashpoint: Dragon Rising』のプレイ感想。

ゲーム

近年のFPSの大流行ぶりを見ていると、もはやビデオゲームを代表するゲームジャンルになりつつあるのではと感じます。競技系やCoop系、シングルRPG系など、FPSだけでも非常に多くのジャンルが存在するほどです。

しかし、ミリタリーを題材としたゲームは少なくなっているのではないでしょうか。『Call of Duty』シリーズなどはミリタリーを扱っていますが、ゲーム内容は非常にカジュアルなアクションゲームとなっています。『Arma』シリーズや『Ghost Recon』のような、アクションよりもタクティカルに寄せたミリタリーFPSはもはや絶滅危惧種です。

今回プレイした『Operation Flashpoint: Dragon Rising』はそんな古き良きミリタリーゲームを思い出すようなゲームでした。

索敵と戦術を重視したゲームプレイ

豆粒のような敵と戦うためには、有利なポジションを確保することが重要

広大なマップを活かした戦術性の高いゲームプレイは、アクション系FPSでは味わうことの出来ない面白さがあります。本作はミッション式でゲームが進行し、それぞれのミッションで殲滅・破壊・偵察などの任務が与えられます。それらを好きなように攻略できるところが本作の魅力の1つです。恥ずかしながら、その魅力に気づいたのはゲームの中盤からでした。

私自身この手のゲームは不慣れで、最初は目標マーカーに直進しては、敵に囲まれてゲームオーバーになってしまうことが多かったです。CODのキャンペーンのように、エイム力でゴリ押しする戦法で進めていたのです。しかし、中盤からはエイム力だけではミッションの達成が難しくなってしまいました。その時に説明書を読んだのですが、そこに記載されていた内容が大きな助けとなりました。以下が説明書の文章です。

戦場で生き残るための5つのヒント
01.地形を活用する。地面のほんの小さなくぼみや多少遠回りな道でも、敵の攻撃を受けずに済むものであれば何でも利用しろ。
02.敵を発見するということは、敵もこちらを発見するということでもある。敵がこちらに気づいていないと油断することなく慎重に行動しろ。
03.部隊の兵士は消耗品ではない。ほんの少しのメリットのために大きな犠牲を払わないようにしろ。生き残った兵士はあとあと大きな戦力となってくれるはずだ。
04.最初に立てた計画がうまくいかなったら、無理せずに撤退して作戦を練り直せ。
05.それでも駄目なら火力支援を要請しろ。

Operation Flashpoint: Dragon Rising Xbox360 説明書 より

特に01と04を実践してからは、本作の開発者が想定したであろうゲームプレイの面白さが理解できました。エイムでゴリ押すアクションゲームではなく、自ら計画を立てて作戦を遂行するタクティカルゲームだったのです。渓谷にいる敵部隊を叩くなら、渓谷の上側を確保して射線を確保する。撤退中に敵装甲車に遭遇したなら、一旦引き返して遠回りをして撤退地点を目指す。など、広大なマップを最大限に利用してゲームを進めていくところが本作のようなミリタリーゲーム最大の魅力なのです。ただ、だだっ広いマップではなく、そこがゲームプレイに繋がっているところは高く評価したいです。

理不尽な点も

数キロ歩くのは当たり前

しかし、一部のミッションは時間制限があり、そこが本作の自由度を欠いてしまっていると感じてしまいました。戦車があと○○分で突入を開始するからそれまでにエリアを制圧しろと言われると、戦術を立てる時間なんてありません。最短距離で目標に移動し、敵を素早く掃討しなければならないのです。制限をかけることで緊張感を出させるというのは分かりますが、プレイヤーの移動速度を全く考慮していない時間制限には少し理不尽さを感じてしまいました。

また、本作はマップが広い割には搭乗できる乗り物がほとんど存在せず、徒歩での移動が本作のプレイ時間の大部分を占めます。特に足を負傷した状態だとダッシュが出来ないため、目標地点まで数十分歩かされることもありました。『Arma』シリーズを楽しめる人なら問題ないでしょうが、カジュアルなプレイヤーだと飽きる人は飽きてしまうのではないでしょうか。まさに”歩兵”のリアルを体感できるゲームです。

撃つだけがFPSではない

敵陣に深く潜り込み、偵察だけを行うミッションも

鉄砲を撃ちまくるだけがFPSの面白さではないと教えてくれた良作。銃撃戦よりも戦術性の高いFPSゲームを遊びたい人にはお勧めのゲームです。

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