残酷な怪作TPS『Spec Ops: The Line』のプレイ感想。

ゲーム

こんにちは、ケミランチャーです。今回は一部界隈ではカルト的人気を誇る『Spec Ops: The Line』を4年ぶりにクリアしたので感想を書いていきます。

良質だが輝きがないTPSアクション

本作は『Gears』シリーズのクローンといってもいいくらい、ゲーム性はそっくり。ゲームの序盤から終盤に至るまで、ひたすらカバーシューターが続きます。ただ敵もプレイヤー自身も被弾にはめっぽう弱いため、『Tom Clancy’s Rainbow Six: Vegas』のような”ハードコアカバーアクション”としてはやりごたえがあると感じました。

また、TPSゲームの中でもアニメーションは非常に綺麗な方です。特にしゃがみカバー時の荒い息遣いを含めたアニメーションは、緊迫感があって素晴らしかったですね。さらにゴア表現もあるため、銃撃戦は中々に楽しむことが出来ます。

しかし『Gears』シリーズのような豊富な武器・魅力的な敵というオリジナル要素は皆無なので、ただのミリタリーTPSだという理由で退屈に感じる人も多いかと。実際に俺の知り合いの1人はゲームがあまりに退屈すぎて途中でプレイを断念したそうです。

暴力と責任の物語

正直なところ、アクションゲームとしてはイマイチパッとしません。では『Spec Ops: The Line』の何がここまでカルト的な人気作へと押し上げたのか。それはズバリ、『闇の奥』や『地獄の黙示録』に影響を受けた素晴らしくも残酷な物語でしょう。

かつてない規模の砂嵐災害に見舞われ、無法地帯と化した巨大都市ドバイ。アメリカ軍33部隊が救援へ向かうが、支援も虚しく救助活動は失敗に終わる。そして33部隊のリーダーであるコンラッドの無線を傍受したことがキッカケで、主人公ウォーカー大尉率いるデルタ部隊は砂の廃墟ドバイへ足を踏み入れる……。

というのがおおまかなあらすじで、ドバイで非常に血生臭い争いが繰り広げられるのです。

しかし、本作は暴力に染まったドバイを地獄の如く描写します。虐殺される市民、アメリカ兵同士の殺し合い、白燐弾で生きたまま焼かれる人間など、ゲームでは絶対に描かれることのなかったタブーが次々と起こります

マップの作り込みも凄まじく、砂嵐で崩壊した街には多数の惨たらしい死体が散乱しているという地獄の風景。

さらにはプレイヤーであるウォーカー自身も暴力と狂気に飲み込まれていくのです……。何が正しいことなのか、誰が悪なのか、このゲームは暴力と責任、極限状態の人間性に対する強烈なメッセージが込められています。

暴力ゲームに慣れた人こそ、このドバイで繰り広げられるウォーカー大尉の物語を体験してほしいです。

ゲームの物語が最大の魅力

一生こんなゲームは発売されないと思わさせてくれる素晴らしいゲーム。ゲームプレイ自体はひねりがありませんが、非常に良質な物語という点ではどのゲームにも負けない輝きがあります。

ゲーム史に残る鬱ゲー、暴力ゲームに真っ向から反する物語と評される本作。プレイ時間も4~5時間でクリアできるため、気になった方は動画ではなく、絶対に自分の手でプレイしてほしいビデオゲームです。

COOPプレイも

本作にはCOOPプレイも存在します。1ステージは10分弱で、全4ステージとボリュームは少なめです。このゲームをクリアした友達と物語を考察しながらプレイするには打って付けのゲームモードですね。

スクリーンショット集

ゲームの雰囲気が伝わるようなものをいくつか貼りますね。

UE3とは思えないほど綺麗
砂嵐の表現は大変素晴らしかった
超高層ビルでの戦闘も
撃っているのは…?
”その…。前にもこんなことがあったような…。”
物語を知るうえで非常に重要な台詞
ウォーカー大尉がたどり着いた驚愕の真実とは…?!

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