ごちゃごちゃ『Hard Reset Extended Edition』のプレイ感想。

FPS

追加要素+リマスター化された『Hard Reset Redux』の存在を知らずにプレイ。”サイバーカタナ”なる新武器も追加されているようなので、プレイを考えている方はリマスター版をおススメします。

クリアまでの所要時間は約5時間。DLCもあるしこんなものかなと思っていたら、なんと気づかぬままDLCもクリアしていました。これは短い……。ゲームの内容がつかめてきたと思った矢先のクリアでしたので、少し物足りなさを感じます。

ゲーム内容は単純明快なオールドスクール撃ちまくり系FPS。サイバーパンク的退廃SFの世界観が特徴的で、登場する敵もロボットやサイボーグばかりです。ストーリーもあるにはありますが、力を入れている様子はなくあくまでオマケ的な立ち位置です。

マップはあり得ないくらい高密度で綺麗
このステージは蝉の鳴き声が聞こえてノスタルジー

オールドスクールなゲームプレイがウリの本作ですが、私は違和感を感じる部分がいくつかありました。1つはキャラクターの動作です。結構な数の敵と乱戦になるにも関わらず、キャラクターの動作がモッサリしているように感じました。オールドスクールFPSのような軽快さはなく、移動も遅めです。その割には敵の機動力は高いため、乱戦時は立ち回りをきちんと考えないとすぐにタコ殴りにされたりオブジェクトに引っかかって死んでしまいます。

画面に関しても見づらいなと感じました。グラフィックはサイバーパンク的な密度のある都市を描いていて美しいのですが、戦闘時は敵と背景が同化しているように見えてしまい、敵の場所や数が把握しづらかったです。また、本作では爆発物等の環境を活かした戦闘を推奨してくるゲームとなっているのですが、肝心の破壊できるモノが見づらくて分かりづらいのです。一応光っていて強調はされているのですが、如何せん背景もサイバーパンクらしく光っている部分が多いため、完全に同化してしまっています。

背景に力を入れている分、敵が見づらい
環境破壊がウリだけど、どれだか分からん

環境を活かした戦いに関しても微妙だと思いました。マップを活かすという仕組み自体は良いと思うのですが、爆発時のエフェクトが派手すぎて見づらいのです。とにかく主張が激しすぎで、敵の攻撃でも誘爆するので乱戦時はむしろ状況把握がしづらくなる厄介さを感じました。

ドゴォォォォォ!
バババァァァ!!

本作の武器もかなり癖があります。武器はQキーに実弾系の武器、Eキーにエネルギー武器が割り当てられており、基本はこの2つを使い分けながら戦闘を行います。さらに各武器ごとに5つのモードチェンジが存在します。弾薬は武器ごと共通で、マシンガン・ショットガン・グレネードランチャー・ロケット・地雷といった感じで、適宜切り替えることが可能です。普段1234等の数字キーで武器を選択しているプレイヤーにとって、これはかなり頭が混乱します。しかもモードチェンジをしても大きく見た目が変わらないため、ただでさえ忙しい戦闘中だと余計「あれ、今なんの武器使っているんだっけ?」となってしまうことが多かったです。

画面の情報量の多さと武器システムが若干面倒でムズカシイヨ

武器に関してはゲームプレイに慣れることで問題はなくなりますが、私の場合はクリア直前でようやく慣れることが出来ました。それまでは混乱防止のため、エネルギー武器のレールガンと実弾武器のショットガンの2つだけを中心として使用していました。ここはもう少しシンプルにしても良かったのではないでしょうか。また、2種類の武器もそこまで差別化が出来ているようにも感じなかったため、普通のFPSのように数字キーにそれぞれの武器を割り当てる感じでも良かった気がします。

アイテムに関しては、弾薬や回復アイテム等の配置が非常に多いです。また、アーマーや弾薬すらもある程度まで自動回復するため、アイテムを取得しながら戦う被弾&ゴリ押し前提のプレイが推奨されているように感じました。

ヤケクソに撃ちまくる図

移動のもっさり感やグラフィックのごちゃごちゃ感、ややこしい武器の仕組みなどもあり、戦闘はかなり頭が混乱します。私は頭の回転速度の問題や、ゴリ押し前提のゲームデザインということもあり、終始武器をテキトーに切り替えて戦うガチャプレイになってしまいました。

『Doom Eternal』もそうなのですが、この手のゲームに複雑で分かりづらい要素はいらないと思うのです。確かに複雑であればあるほど戦闘に深みはますかもしれません。やり込みがいだって増えるはずです。しかし、FPSの根底にある「撃って敵を倒す」というシンプルな欲求が、複雑なゲームシステムのせいで埋もれてしまっているのではないでしょうか。”シンプルが故に奥深い”、これがレトロ系や撃ちまくり系FPSの醍醐味だと私は思います。

まとめ:ちょっと苦手

ビジュアル面では他作品と差別化が出来ていて好き

全体的にごちゃごちゃしたFPS。ボリュームもかなり短く、ようやく慣れてきたと思ったあたりで唐突にエンディングを迎えるゲーム。撃ちまくり系だと『Serious Sam』がいかにシンプルで洗練されたゲームなのかということを改めて実感しました。私は現在『Serious Sam Classics: Revolution』も並行して遊んでいるのですが、そちらと比較するとどうしても本作がまとまりのない作品のように感じてしまいます。それとも2週目3週目とプレイすることで、本作の奥深さが分かるようになるのでしょうか……。

著者一言:Steamサマーセールの時期に限って欲しいゲームを忘れる。

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