自己崩壊『Red Faction: Armageddon』のプレイ感想。

XBOX

『Red Faction: Armageddon』は今までのRed Factionシリーズが築き上げてきたアイデンティティを自らぶち壊した、あまりに退屈なTPSゲームです。よく出来てはいるがこれといった特徴がないと評された『Red Faction』、『Red Faction II』を経て、ようやく『Red Faction Guerrilla』で破壊ゲーの頂点にまで達したのに、最後には全ての良さを自ら捨ててしまったのです。

続編である本作は、エイリアンもどきと戦う一本道TPSというよく分からない方向へと舵を切り、結果地獄のように退屈なゲームへとなり下がりました。火星という舞台、レッドファクションを軸としたゲリラ革命、革新的な破壊表現、その全てを活かすことなく台無しにしてしまったのです。ひたすらに薄暗い地下洞窟で、イライラするくらいすばしっこいエイリアンもどきを撃ち殺すだけの非常に退屈なゲームプレイが延々と続き、ストーリーに関してはもはや見る価値すらないほど面白くありません。

TPSとしてのクオリティも微妙です。カバーアクションや豪快なアクションなどは一切なく、ただただ棒立ちしながら、縦横無尽に飛び回る敵にイライラしながら戦うだけとなっています。TPSのカメラ位置も異様に近く、最初の数時間は画面酔いに悩まされるほどでした。

肝心の破壊表現は一応引き継がれています。破壊はもちろん、本作からは破壊した箇所を修復することが出来るようになっています。ただし、これらがゲームプレイを面白くしていたかどうかは微妙です。戦闘時に破壊されて通行できない階段や橋を修復する程度で、ゲームプレイが面白くなるというよりも手間がかかる無駄な作業のように感じました。また、自由度のない一本道ゲーに破壊表現があったところで、結局進むためには修復しなければならない箇所が多く、ゲームのテンポを悪くしているように思います。

正直、破壊を楽しむのはオープンワールドスタイルの方がゲームとしては適切なのではないでしょうか。一本道スタイルでもレベルデザインがしっかりと作り込まれていれば話は変わるのですが、本作は破壊を楽しめるようなつくりになっていません。むしろ邪魔だと感じることが多く、『Red Faction』、『Red Faction II』よりも破壊というテーマを殺してしまっているように感じました。

ただ、本作にはパワードスーツや多脚戦車などの強力な兵器を操作できるパートが多めに用意されており、そこではRed Factionのアイデンティティである破壊を堪能することが出来ます。あまりにこちら側が有利すぎる火力で敵をなぎ倒していく時間は、本作の中で唯一の楽しい体験でした。

これまでのシリーズが築き上げたものを自ら崩壊させた駄作。あまりの退屈さにプレイ中に体調を崩してしまうくらいでした。このゲームを遊ぶくらいだったら、別のことをしていた方がよっぽど健全だと思います。

また、Steam版はニューゲームを押してもゲームが起動しないという致命的なバグがあったため、今回はXboxでプレイしました。Steamのちょい古めのゲームはそのままだと起動しなかったり、修正に時間と手間がかかる場合も多いため、おとなしくGOGやコンソール機を使った方が良いかもしれません。

著者一言:『Muse Dash』がマイブーム。

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